名古屋駅と東岡崎駅にてアレクサンダーテクニークを伝えている
講師のhikitakeです。(プロフィール)
慢性的な身体の痛みにアレクサンダーテクニークが有効な理由を知りたい!
このページでは
アレクサンダーテクニークが
慢性的な身体の痛み、慢性疼痛に効果的な理由を
なるべく分かりやすく解説していきます。
この記事を最後まで読んでいただくことで
アレクサンダーテクニークが
- 慢性的な痛みに有効な理由
- 他の症状にも有効な理由
などがざっくりと分かるようになります。
そして
最後まで読んでいただいた方にはある特典があります!
どうぞ最後まで一読くださいませ。
アレクサンダーテクニークとは?
この記事を見ている方はアレクサンダーテクニークについてある程度理解されている方かと思いますが、
以下がアレクサンダーテクニークの簡単な説明になります。
- 余分な筋肉の緊張を解消する技術。
- 楽で有利な身体の使い方を覚える技術。
- 骨を重力に対して正しく立てる技術。
- 三大ボディワークの1つ。
- 体操やヨガ、ストレッチ、整体、マッサージではない。
- 触れる程で姿勢・身体動作を改善する技術。
- 普段と有利な状態での身体の使い方を比較しその差に”気づき”、修正するのが主なレッスン内容。
- 気づかなかった習慣や癖を変える技術でもある。
- 教育でもある。
- ソマティックエデュケーションの一つ。
- 認知療法でもある。
- マインドフルネス要素がかなりある。
- 呼吸を深めることができる技術。
- アレクサンダー氏が100年以上前に開発し広めた技術。
- 世界の音楽・芸術大学の授業で取り入れている。
- 多くの著名人も取り入れている。
- リハビリテーションでもある。
- 様々な不調が解消される可能性が高い。
- 自己調整法・セルフヒーリングである。
- 生涯にわたり自分で身体を癒すことができる。
アレクサンダーテクニークについて詳しく知りたい方は「アレクサンダーテクニークとは?」をお読みください。
アレクサンダーテクニークの
ポイントを2つに絞るとしたら以下になります。
- 身体の姿勢や行動の誤解に気づき、余分な筋肉の力を抜く
- 骨を立たせ体に負担のかからない綺麗でラクな姿勢を作る
この二つを習得することで
慢性的な痛みの解消に期待ができます。
アレクサンダーテクニークが慢性疼痛に有効な理由
アレクサンダーテクニークを知ったきっかけが
- 原因不明の痛みに長年悩んでいた
- 病院やセラピーなど試しても解消されなかった
などで知人からの紹介や調べた方も多かったのではないでしょうか?
私自身も
アレクサンダーテクニークで
数年抱えていた慢性腰痛を解消しました。
身体の痛み以外の理由でお越しの方も
そういえば肩や首の痛みが無くなりました!
など体の痛みが解消されている方が多いです。(お客様の声)
アレクサンダーテクニークは
身体の筋肉の余分な緊張を解消する技術でもありますが、
筋緊張をなくすことが
慢性的な痛みの解消にも繋がります。
以下、アレクサンダーテクニークが
慢性疼痛に効果的だと考えられる理由5つですが、一つずつ解説していきます。
- 身体ストレスを下げる
- 交感神経の過度の興奮を抑える
- 背外側前頭前皮質の血流増加
- 抗重力筋刺激によるセロトニン分泌の正常化
- マインドフルネス効果による痛みの低減
身体ストレスを下げる
アレクサンダーテクニークとは
普段気づかない筋肉の緊張をなくす技術でもあるため
アレクサンダーテクニークを習得すると
されます。
筋緊張からの解放されると以下のような効果に繋がります。
- 身体ストレスが下がる
- 消費エネルギーが下がる
- 交感神経の興奮が抑えられる
筋肉を使い続けていると交感神経が興奮し続けることになり、
余分なエネルギーも消費され身体にストレス(炎症)がかかり、発痛物質が発生します。
逆に筋肉を休ませてあげることで消費エネルギーが抑えられ、
ストレス(炎症)が少なくなり痛みが減っていきます。
筋肉をずっと使っていると痛みがでますが、
身体の余分な筋緊張をなくすことで
痛みが解消されるということです。
負担のかかる姿勢を防ぐ
アレクサンダーテクニークでは
頭の位置が重要視されています。
人間の頭は体重の10%もあるため、数センチでも動けば、
肩や頸椎、首周り、腰周りの筋肉にかなりの負担がかかります。
アレクサンダーテクニークのポイントの
- 重力に対して骨を立て
- 余分な筋肉の緊張をなくす
骨を立てることで
最小限の力で身体動作が可能になり、
物理的にも身体の負担が減り痛みが減ることに繋がります。
そのため
頭の位置を重要視し身体の筋緊張を緩めるアレクサンダーテクニークは
慢性的な痛みから解放される可能性が非常に高くなります。
交感神経の過度の興奮を抑える
筋緊張の解放が
交感神経の過度の興奮を防ぐとを説明しましたが、
アレクサンダーテクニークの
呼吸が改善される点も交感神経の過剰を防ぐ要因となります。
アレクサンダーテクニークを開発した
F.M.アレクサンダー氏は「呼吸の人」と呼ばれていたほど、多くの方の呼吸を改善してきました。
アレクサンダーテクニークのポイントを押さえると、
- 重力に対して骨を立て
- 余分な筋肉の緊張をなくす
楽な姿勢がとれるようになり、呼吸が楽になります。
姿勢が不利の状態で肺が圧迫されていると呼吸がしづらいのは経験されたことはあるかと思いますが、
姿勢を有利な状態にすることで
圧迫がなくなり本来の呼吸に戻ります。
そして呼吸が楽になれば、
自然と深い呼吸へと変わります。
呼吸筋で重要な横隔膜をしっかりと使うことで交感神経と副交感神経のバランスが整い、
自律神経の乱れが解消され、交感神経過剰によって発生していた痛みが減っていきます。
背外側前頭前皮質の血流増加
医学博士であり痛み専門医の河合隆志先生の
著書「腰痛が楽になる酸素たっぷり呼吸法」で痛みに関係する脳の仕組みを解説しています。
脳の背外側前頭前皮質という部分が痛みを鎮める部位なのですが、
背外側前頭前皮質の酸素が不足することで
痛みを感じやすくなります。
そのため酸素をしっかり取り込むことが
脳科学の観点で痛みを減らすことができると考えられます。
アレクサンダーテクニークは呼吸が改善できると上で説明ましたが、
呼吸が深まるということは
酸素の取り込みも多くなります。
抗重力筋刺激によるセロトニン分泌の正常化
背外側前頭前皮の酸素不足の他にも
セロトニンが不足すると痛みが増すと考えられています。
身体は
下降性疼痛抑制系という痛みを抑える反応が備わっておりセロトニン神経が関わっています。
そのためセロトニンが不足すると痛みに敏感になるということです。
ですからその機能が弱まると
痛みに敏感になり、些細なことで頭や関節、お腹などに痛みを感じてしまいます。
〜(略)〜
神経伝達物質のセロトニンが不足するとうつ病や不安の原因になります。
セロトニンは
姿勢を保つ筋肉群の抗重力筋に働きかけ、強化する働きをしています。
一方で
抗重力筋を刺激することでセロトニンが分泌される可能性があることもわかっています。
マウス実験で抗重力筋に関わる脳の部位を電気刺激すると、脳内のセロトニン神経が発火しました。
ですから、姿勢を正すことで脳内のセロトニンの発火が促され、抑うつ気分が低下して心の安定をはかることができるわけです。
参考:山口創先生著書「からだの無意識の治癒力」より
山口創先生も上記で述べているように、
姿勢を正すことで脳内のセロトニンの発火が促されると考えられます。
そのため姿勢改善技術でもあるアレクサンダーテクニークは
セロトニンの分泌を正常化し、痛みに対しても適切な反応になると考えています。
マインドフルネス効果による痛みの低減
またアレクサンダーテクニークには
マインドフルネスの効果が期待できます。
今ここに注意を向け
感情や思考などに気づき
判断や評価もせずに受け入れること
アレクサンダーテクニークは日常で
身体が有利で楽な状態かどうかにフォーカスしていきます。
有利で楽な状態を意識するために、
- 足の裏(圧感覚)
- 頭の位置(楽で自由な)
- 呼吸(楽に吐けるか)
以上の3点に意識を向けることになりますが、
レッスンを通して日常で意識を向けられるようになります。
常に足裏感覚へ意識が向けることが
”今ここ”にとどまれることに繋がり、
身体感覚の向上が”感情への気づき”と繋がります。
また不利な姿勢や身体の使い方に気づくことが自分の感情や思考にも気づくことに繋がります。
そのためアレクサンダーテクニークは
マインドフルネスの要素があると考えられ、
マインドフルネスの効果が期待できます。
- ストレス低減
- うつ症状の改善
- 集中力や生産性の向上
- 記憶力の向上や認知症予防
- 免疫力のアップ
- 慢性的な痛みの軽減
など
これらは神経可塑性といい、脳の構造自体に変化が起こるためです。
マインドフルネスが痛みに有効な理由
マインドフルネスが痛みに対しても有効な理由ですが、
短期的には
痛みのコントロールに関わる前帯状皮質や島の活動が増加し、
身体の感覚を司る感覚野の活動が低下するため、
痛みを感じにくくなると言われています。
長期的に
マインドフルネスを実践していると
前頭葉の活動は減り、島や感覚野の活動はむしろ増すことがわかっています。
つまり継続的にマインドフルネスを実践していると痛みを前頭葉で意識的にコントロールするのではなく、
痛みを受け入れながら対処している状態になり、痛みが軽減します。
そのためアレクサンダーテクニークは
負担のかかる姿勢からの解放の効果もあり
慢性的な
痛みに対して有効と言えます。
代表的な慢性疼痛に関して
慢性的な頭痛の解消
他の疾患を原因としない慢性頭痛の中で
もっとも一般的なのが緊張型頭痛です。
頭痛のメカニズムは完全には判明されていないのですが、
交感神経の過度の興奮、筋緊張による血管の圧迫などが原因と考えられています。
そのため、上記で説明した
- 筋緊張の解放
- 呼吸を深め自律神経を整える
の二つは
緊張型頭痛において効果的だと考えています。
当アレクサンダーテクニーク教室のお客様も
吐き気がくる頭痛や季節によって毎年起きていた頭痛から解放された方など
頭痛が解消された方は多いです。
慢性的な腰痛の解消
慢性的な腰痛に関しても原因は様々で、特に原因がはっきりしない腰痛を非特異的腰痛といいます。
腰痛のうち85%は原因が特定できない非特異的腰痛と言われています。
腰痛に関しても有効と考えられる理由は上記で説明した通りですが、
腰痛に関しては
アレクサンダーテクニークが有効とされるエビデンス(科学的根拠)もあります。
【目的】
アレクサンダーテクニーク6回、アレクサンダーテクニーク24回、マッサージ療法、医師による通常の医療(エクササイズ)の中で、どれが慢性または再発性の腰痛患者に有効性が高いかを判断する。
【参加者】
579人の慢性または再発性の腰痛を有する患者;
・144名が通常ケア
・147名がマッサージ
・144名が6回アレクサンダーテクニークレッスン
・144名が24回アレクサンダーテクニークレッスン
※それぞれのグループの半分の人が「看護士が推奨するエクササイズ」 を処方され、エクササイズとの組み合わせの効果も検証された。
6回アレクサンダーテクニークレッスン+エクササイズは、24回レッスンと同等レベルの効果があったとされています。
【測定方法】
Roland Morris障害スコア(疼痛によって損なわれた活動の数)および痛みの日数を測定する。
【結論】
アレクサンダーテクニーク教師による1対1のレッスンは、慢性的な腰痛を有する患者に長期間の利益をもたらす。
6回のレッスンとその後の運動処方は、24レッスンと同程度効果的でした。
https://www.bmj.com/content/337/bmj.a884.full
このような研究結果や、
急性頚部痛や慢性頚部痛や全脊椎に及ぶ症候の初期の治療や腰痛の再発予防として
アレクサンダーテクニークが紹介されています。
そのためイギリスなど海外では
アレクサンダーテクニークが保険適応されるほど認知されています。
まとめと注意点
以上がアレクサンダーテクニークが慢性的な痛みの緩和に期待ができる理由でした。
まとめです。
- 身体ストレスを下げる
- 交感神経の過度の興奮を抑える
- 背外側前頭前皮質の血流増加
- 抗重力筋刺激によるセロトニン分泌の正常化
- マインドフルネス効果による痛みの低減
注意点として
どんな治療法でも100%断言するのは難しいのと同様に
アレクサンダーテクニークにおいても
100%慢性的な痛みが解消されるとは言えません。
しかし、上記の理由により
痛みの症状が解消される可能性は非常に高いと考えています。
アレクサンダーテクニークが慢性的な痛みで悩んでいる方のためになれば幸いです。
今後も一人でも多くの方に
アレクサンダーテクニークが
お役に立ちますよう心よりお祈り申し上げます。
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